足立心のクリニック梅島

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自律神経失調症の原因とストレスとの関連性

自律神経失調症とは何か

自律神経失調症とは、生活リズムの乱れやストレスによって自律神経のコントロールが崩れてしまい、様々な体調不良が起こる状態を指します。身体のどこに、どの程度の症状がみられるかは個人差があります。人によって異なり、さらには他の病気から併発してくることもあるほか、体質的に似たような症状が出やすい方もいらっしゃいます。そのため、診断が難しいとされています。様々な検査を行っても異常が見つからずに、症状はあるのに原因不明といわれてしまう…、こうした原因不明、あるいは精神疾患ではないといわれた方が、自律神経失調症と診断される場合もあります。

自律神経とストレスの関係性

 自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられます。交感神経は活動的となっている際に主に働き、副交感神経は逆に安静時に主にその働きが高まるとされています。また、交感神経と副交感神経一見逆のような働きですが、それゆえに相互に助け合うような作用を持って、身体の様々な部分の機能を調節する役割を担っています。例えば心臓一つをとっても、交感神経の作用が強くなれば心拍数は高まる方向に働き(ドキドキ・バクバクします)、副交感神経の作用が強まれば心拍数を下げるように働きかけます(落ち着いていきます)。また、自律神経は心臓以外にも全身に広がっているため、多様な症状が出ることになります。そして、大きなストレスが継続的にかかるような状況では、交感神経の働きが強まりすぎることがあります。するとこの働きのバランスを崩れていってしまい、体の変調として感じられることがあります。例えば、大事な試験・会議の前日の夜になかなか寝付けなかったり、ちょっとした物音ですぐ目が覚めるような眠りの浅さであったりということをご経験された方もいらっしゃるかもしれません。これは緊張状態が強いことから、交感神経が優位に働いてしまい、寝るためにリラックスのため副交感神経が優位となるタイミングでも、その切り替えがうまくいかなってしまっている状態と考えられます。このような日常生活の中でも自律神経は影響を受けますが、健常な状態ではいずれ、そのバランスが取れ平常状態の働きと戻っていきます。しかし、ここがうまく切り替えられなくなってしまうと、脳や体が活動的な状態がつづき、緊張や覚醒状態が続いてしまうことになります。すると、「よく眠れた、疲れが取れた」という感覚が得られにくくなったり、俗に言われる「ナーバスな状態になる」という周囲に敏感な状況となったりするのが継続してしまう、そのような場合があるのです。

いろいろな原因がある

自律神経の乱れは、ストレスが影響しやすいということを具体例でご説明しましたが、これ以外にも様々な原因があるといわれています。生活リズムの乱れが原因の方もいらっしゃれば、体質的に自律神経が乱れやすい方もいらっしゃいます。また、そもそも何をもってストレスと感じるかという部分でも、個人で異なっています。そのため、その方とその方が置かれた環境との関係性にミスマッチが起こっているかといった状況で、ストレスを比較的多く感じやすい方が、自律神経失調症と考えられる症状を呈することもあります。そのほか、こうした状況と異なり、女性ホルモンの変化が関係している場合もあるとされます。このため、何が原因で症状が出現しているのかを考えていくことも重要になります。その原因に対して一つ一つアプローチすることが重要と考えられます。

こころの症状

症状は、人によって異なります。自律神経失調症が体調不良の原因かもしれません。他の疾患による症状が重なる場合もあります。そのため、慎重に判断していくことが大切です。自律神経の状態をチェックするためには、下記のセルフチェックリストを活用しましょう。

  • 疲れやすい
  • 寝ても疲れがとれにくい
  • 胸がどきどきする
  • 頭が締め付けられるような感じがする
  • 手足が冷える
  • 肩などの筋肉が凝りやすい
  • むくみやすい
  • 胸がドキドキしやすい
  • 気が散りやすい
  • 特に理由なくイライラしやすい
  • 便秘または下痢になりやすい                など      

上記のような項目がいくつか当てはまり、さらにそのような状態が続いてしまう場合は、自律神経が乱れているかもしれません。また注意点として、上記項目が「いつも」ではなくても、ある時は【便秘がち】、またある時は【肩が凝る】といった、上記の項目で、当てはまるものが違っても、しばしばそれが当てはまるような状態、しかもこれが長く続いている場合などは自律神経が乱れている可能性があると考えられます。さらにはこのような状態が一定以上の強さで継続している場合、自律神経失調症という名前が付けられることもあります。

自律神経失調症に対する治療として

自律神経失調症の治療としては、症状に応じて薬物療法や心理療法が基本となります。薬物療法では、患者さんがどのような症状に悩んでいるのかによりますが、例えば更年期障害のような症状に悩んでいる場合は、現状婦人科でのみ処方を受けられるホルモン剤処方を検討してもらうことが重要となるでしょう。もしここが原因であれば、こうした治療によって症状は徐々に改善されることが期待できます。
 こうしたからだの疾患をまず考えるというのはとても重要で、自律神経に影響する身体疾患が隠れている場合があるからです。「理由なくドキドキする」ということが、実は「心臓の病気(不整脈)でした」、「最近よく下痢と便秘を繰り返す」というのが実は「腸の病気(腸炎など)でした」というお話は枚挙にいとまがありません。しかし、こうした自覚症状につながるような、からだの問題が見当たらない、あるいはこの治療を受けても、なお不安や緊張が続いている場合は、これら症状を緩和させるお薬を心療内科、メンタルクリニックで処方してもらうことが有効な場合もあります。まずは、しっかりとした症状に併せた診療科で相談をし、それでもなお自律神経が関係するような上記症状が続く場合は、こころの病気も考えメンタルクリニック、心療内科へご相談することを検討されてみるのはいかがでしょうか。


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